主催:東洋文庫現代中国班「国際関係・文化」グループ
共催:日中関係論壇(代表・高原明生)
科研費(A)「中国の改革開放萌芽期の再検討」(代表・中村元哉)
日時:2022年8月29日(月)
形態:オンライン会議形式(end-to-end版)
言語:中国語*通訳は原則なし
参加申し込み:8/15にまでに下記フォームにご登録下さい。
https://forms.gle/5CR6KASqLeijp55k9
その他:
・報告ペーパー(中国語1~1.5万字または日本語1.5~2万字〔注を含む〕)と報告資料(PPT等/中国語または日本語)の締切りは、8月20日です。中村宛にメールで提出して下さい。
・配布可の報告資料は、当日、参加者にオンライン会議システムを通じてお渡しします。
趣旨
東洋文庫現代中国班「国際関係・文化」グループは、近年、東洋文庫に所蔵されている日中戦争期の「満洲国」および汪精衛政権に関する史資料や戦後の日中交流史を物語る日本人中国旅行記を精力的に整理してきた。
これらの基礎作業から得られた新たな知見は、戦前・戦中の日中間の人的ネットワークが戦後の冷戦下における日本と中華圏の人の往来へと連続していることであった。むろん、戦前・戦中・戦後には不連続性も存在し、台湾海峡を挟んだ中国分断や日中の不正常な関係による特殊性も見落としてはならない。
本シンポジウムは、昨年度(第一回)の成果を踏まえながら、以上のような人物交流史を思想・文化の交錯へと拡大して、中国、香港、台湾の研究者と共有しようとする試みである。この研究は、台湾との断交(1972年)、改革開放の開始(1970年代)、香港の返還(1997年)へと至る1970年代から1990年代の日本と中華圏の人物交流史を紐解く歴史的視座を提供することにもなるだろう。
【プログラム】*報告テーマはいずれも仮
総合司会:中村元哉(東洋文庫・東京大学)
12:50-13:00開場
〈開会の挨拶〉
13:00-13:05村田雄二郎(東洋文庫・同志社大学)
〈第一報告〉司会兼コメント:関智英(東洋文庫・津田塾大学)
13:05-13:25王敏釗(北京大学)
「赤い夕陽と広大な大地――近代日本が満洲で構築した文化シンボルと現代日本の対中イメージ」
「赤色夕阳与广阔大地――日本近代在满洲建构的文化符号与当代对华印象」
13:25-14:05質疑応答
〈第二報告〉司会兼コメント:久保茉莉子(埼玉大学)
14:05-14:25ニコロヴァヴィクトリヤ(東京大学・院)
「想像としての中国――戦争の時代に生きた中国研究者を再考する」
「想象中国――再考战争时代日本的中国研究者」
14:25-15:05質疑応答
〈休憩〉
15:05-15:20
〈第三報告〉司会兼コメント:池田尚広(杏林大学)
15:20-15:40神田豊隆(新潟大学)
「戦後アジアにおける社会民主主義国際ネットワークとその限界――冷戦と脱植民地化の文脈」
「战后亚洲的社会民主主义国际网络与其限界――冷战和脱殖民地化」
15:40-16:20質疑応答
〈第四報告〉司会兼コメント:吉見崇(東京経済大学)
16:20-16:40 李培徳(香港大学名誉教授)
「文化冷戦下の香港の役割――李恵堂を事例に」
「文化冷战下的香港角色――以李惠堂来分析」
16:40-17:20質疑応答
〈休憩〉
17:20-17:30
〈総括討論〉
17:30-18:00自由討論
【参考情報(第1回)】
〈報告〉
1. 東洋文庫「日本人中国旅行記」から読み解く戦後日中・日台関係史
村田雄二郎(東洋文庫・同志社大学)「概要」
中村元哉(東洋文庫・東京大学)「政治団体」
山口早苗(津田塾大学)「満洲国」・汪精衛政権
久保茉莉子(成蹊大学)「婦人団体」
2. 林果顕(政治大学)「冷戦期における日台間の文化交流と人的ネットワーク――出版物の輸出入の観点から」
3. 島田大輔(日本学術振興会PD)「中国専門記者太田宇之助の戦後――戦後の活動とその遺志としての東京都太田記念館」
4. 陳学然(香港城市大学)「道徳再建運動における人的ネットワークと思想交流――東京・台北・香港」
5. 池田尚広(杏林大学)「人的往来からみる1950~60年代の日中民間交流」
〈コメント〉
黄克武(中央研究院)、潘光哲(中央研究院)、楊大慶(ジョージ・ワシントン大学)